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グループホーム(共同生活援助)とは

障害者グループホームは、障害のある方が地域で自立した生活を送るための住まいの場です。夜間や休日、共同生活を行う住居で、相談や日常生活上の援助を受けながら生活することができます。

特徴と位置づけ

  • 地域生活への移行: 入所施設や病院から地域での自立生活への移行を支援

  • 利用者数増加: 令和元年11月には入所施設の利用者数を上回り、13万人を超えている

  • 費用額: 令和元年度の費用額は約2,228億円(障害福祉サービス等全体の8.1%)

グループホームの種類

グループホームは主に以下の3つの類型があります。それぞれの特徴や支援内容が異なりますので、運営方針や対象者に合わせて選択することが重要です

※2024年4月の報酬改定により、「移行支援住居」が新設されました。一人暮らし等に向けた支援を行う住居として位置づけられています。

設立に必要な要件

法人要件

  • 法人格が必須: 社会福祉法人、医療法人、NPO法人等の法人格が必要

  • 個人事業主不可: 個人での参入はできません

  • 公益性: 社会福祉法人や医療法人が優先される場合あり

立地条件

  • 住宅地または同等地域: 家族や地域住民との交流機会が確保される地域

  • 入所施設・病院外: 入所施設や病院の敷地外に設置すること

  • 地域生活: 地域に溶け込んで生活できる環境であること

 

定員・居室要件

人員配置基準

※2024年4月の報酬改定で、人員配置体制加算が新設されました。基準よりも手厚く職員を配置している事業所を評価する制度です。

設備基準

  • 共用スペース: 居間・食堂・台所・浴室・洗面所・トイレ等

  • バリアフリー: 利用者の特性に応じた設計(車椅子対応など)

  • 消防設備: 消火器、自動火災報知設備、誘導灯、スプリンクラー等

助成金・補助金制度

グループホーム設立時には、以下の補助金制度が活用できます。

社会福祉施設等施設整備費補助金

※補助金は年度ごとに内容や条件が変更される場合があります。最新情報は当事務所へお問い合わせください。

助成金・補助金制度

  1. 法人格の取得: 社会福祉法人、医療法人、NPO法人等の法人格を取得

  2. 事業計画の策定: サービス内容、対象者、収支計画の作成(開設資金約300万~1000万円必要)

  3. 物件の確保: 設備基準を満たす物件の選定(一戸建てやアパート、マンションでも可)

  4. 人員の確保: 人員配置基準を満たす職員の採用

  5. 指定申請: 都道府県知事(指定都市・中核市の場合は市長)に申請

  6. 運営開始: 個別支援計画の作成と適切な支援体制の構築

指定更新について

グループホームの指定は6年ごとに更新が必要です。更新手続きを怠ると事業継続ができなくなりますので、期限管理が重要です。

・更新申請時期: 指定有効期間満了日の約2ヶ月前から受付開始

・必要書類: 指定更新申請書、付表、運営規程、勤務体制表、資格証明書等

・注意点: 2025年は多くの自治体で電子申請が義務化されています

運営上の注意点

令和6年度報酬改定のポイント

  • 基本報酬の見直し: 世話人の配置基準が変更され、6:1に一本化

  • 人員配置体制加算の新設: 手厚い職員配置に対する評価

  • 移行支援住居の新設: 一人暮らし等への移行を目指す利用者向け

運営上の課題と対策

  • 職員の確保・定着: キャリアパスの明確化、研修機会の提供

  • 利用者支援の質向上: 個別支援計画の充実、定期的なモニタリング

  • 地域との連携: 自治会や行政、福祉団体等との関係構築

  • 安全管理: 避難訓練の実施、BCP(業務継続計画)の策定

業務継続計画(BCP)の義務化

2024年度から、業務継続計画(BCP)の策定が義務化されています。感染症対策と災害対策のそれぞれについて計画を策定し、定期的な研修・訓練を実施する必要があります。

地域連携推進会議の義務化

2025年度から、グループホームでは「地域連携推進会議」の設置が義務化されています。運営の透明性を高め、サービスの質の向上を目的としています。

必要な具体的設備

居室(個室)

  • 原則として1人部屋(必要に応じて2人部屋も可)

  • 1人あたりの床面積は7.43㎡(約4.5畳)以上

  • プライバシー確保のため、他の居室と明確に区分

  • 採光・換気が良好で、必要な家具を備える

共用スペース

  • 居間・食堂:利用者や職員が一堂に会するのに十分な広さ

  • 台所:利用者の特性に応じて設計(車椅子対応など)

  • 浴室・洗面所・トイレ:身体状況や障害特性に配慮した設計

消防・防災設備

  • 消火器:全ての施設に設置義務

  • 自動火災報知設備:全ての施設に設置義務

  • 誘導灯:避難経路や避難口に設置

  • スプリンクラー:要件に応じて設置義務あり

  • 火災通報装置、非常警報設備:規模等によって設置義務あり

​グループホーム設立費用目安

月間収支モデル(10名・稼働率90%)

当事務所のサポート内容

当事務所では、障害者グループホームの設立から運営、指定更新まで、トータルでサポートいたします。

 

設立支援

  • 法人設立手続きのサポート

  • 事業計画策定の支援

  • 指定申請書類の作成

  • 人員要件や設備基準の確認

  • 運営規程等の各種書類作成

  • 補助金申請のサポート

 

運営支援

  • 実地指導対策

  • 業務継続計画(BCP)の策定支援

  • 地域連携推進会議の設置・運営サポート

  • 運営上の各種相談対応

  • 加算取得のアドバイス

 

指定更新支援

  • 更新申請書類の作成

  • 電子申請のサポート

  • 実地検査の対策

  • 関係機関への対応

お気軽にご相談ください。初回相談は無料で承っております。

よくあるご質問

グループホーム(共同生活援助)に関するよくある質問

設立・開業に関する質問

Q1: グループホームの設立に必要な法人格は何ですか?

A: 社会福祉法人、医療法人、NPO法人、一般社団法人、株式会社、合同会社などの法人格が必要です。個人事業主での開設はできません。公益性の観点から社会福祉法人や医療法人が優先される場合があります。

Q2: グループホームの設立にはどのくらいの資金が必要ですか?

A: 初期費用として500~1,500万円程度が目安です。物件の改修費、消防設備の設置、備品購入、運転資金などが含まれます。社会福祉施設等施設整備費補助金(国2/3、県1/3負担)の活用により負担軽減が可能です。

 

Q3: グループホームの定員はどのように設定されていますか?

A: 新築建物は原則10名以下、既存建物は20名以下(都道府県知事が特に必要と認める場合は30名以下)です。日中サービス支援型は20名以下に加えて短期入所1~5名まで可能です。

 

Q4: どのような物件がグループホームに適していますか?

A: 住宅地または住宅地と同程度に地域住民との交流機会が確保される地域で、入所施設や病院の敷地外である必要があります。一戸建て、アパート、マンションでも運営可能ですが、建築基準法や消防法への適合が必要です。

 

サービス類型に関する質問

Q5: 介護サービス包括型、外部サービス利用型、日中サービス支援型の違いは何ですか?

A: 介護サービス包括型は事業所内で介護サービスを一体的に提供、外部サービス利用型は介護を外部の居宅介護事業所に委託、日中サービス支援型は重度障害者向けに昼夜を通じた支援体制を確保します。それぞれ人員配置や報酬体系が異なります。

 

Q6: 移行支援住居とは何ですか?

A: 令和6年度報酬改定で新設された、単身等での生活を希望し可能と見込まれる利用者の退所に向けた支援を行う住居です。1以上の移行支援住居を有し、定員は2人以上7人以下で設定されます。

 

Q7: どの類型を選択すべきか判断に迷います。

A: 利用予定者の障害支援区分、地域の社会資源、事業者の専門性、経営戦略を総合的に検討して決定します。重度の方が多い場合は介護サービス包括型や日中サービス支援型、軽度の方が多い場合は外部サービス利用型が適している場合があります。

 

人員配置・資格に関する質問

Q8: グループホームに必要な職員配置は何ですか?

A: 管理者(常勤1人以上)、サービス管理責任者(利用者30人以下で1人以上)、世話人(類型により6:1または5:1)、生活支援員(介護サービス包括型・日中サービス支援型のみ、障害支援区分に応じて配置)が必要です。

Q9: 2024年4月の報酬改定で人員配置はどう変わりましたか?

A: 世話人の配置基準が6:1に一本化され、それに伴い人員配置体制加算が新設されました。基準よりも手厚く職員を配置している事業所を評価する仕組みとなり、質の向上と処遇改善が図られています。

Q10: 夜間支援従事者の配置は必要ですか?

A: 日中サービス支援型では必須(1名以上)です。他の類型では必須ではありませんが、夜間支援等体制加算を算定するために配置する場合があります。利用者の状況に応じて柔軟な配置を検討できます。

設備・施設に関する質問

Q11: 居室の面積基準を教えてください。

A: 収納設備等を除き7.43㎡(約4.5畳)以上が必要です。原則として1人1部屋ですが、必要に応じて2人部屋も可能です。プライバシーの確保と採光・換気の良好な環境整備が重要です。

 

Q12: 消防設備で必要なものは何ですか?

A: 消火器、自動火災報知設備、誘導灯は全ての施設で必要です。条件に応じてスプリンクラー(障害支援区分4以上の利用者が8割超の場合等)、非常警報設備(収容人数に応じて)などの設置が義務付けられます。

 

Q13: バリアフリー設備は必須ですか?

A: 法的な義務はありませんが、利用者の障害特性に応じた環境整備が求められます。車椅子利用者がいる場合は段差解消、手すり設置、トイレの改修などが必要になります。

 

利用者・対象者に関する質問

Q14: グループホームの利用対象者はどのような方ですか?

A: 障害支援区分が区分2以上(50歳以上は区分1以上)の方で、地域において自立した日常生活を営む上で、相談等の日常生活上の援助を必要とする知的障害者・精神障害者です。身体障害者は65歳未満に限定されます。

 

Q15: 利用期間に制限はありますか?

A: 利用期間の制限はありません。長期間の利用が可能で、終身利用される方も多くいます。ただし、定期的なモニタリングにより支援の見直しを行い、可能であれば一人暮らし等への移行も支援します。

 

Q16: 外部サービス利用型の利用者に制限はありますか?

A: 外部サービス利用型は原則として入居から3年以内に一般住宅等への移行を目指す支援を行います。ただし、利用者の状況により柔軟な対応が可能で、必要に応じて他の類型への変更も検討します。

 

運営・管理に関する質問

Q17: 個別支援計画ではどのような内容を定めますか?

A: 利用者の生活全般に関する支援目標、具体的な支援内容、社会参加の促進、健康管理、金銭管理、余暇活動、将来の生活設計などを個別にプランニングします。定期的なモニタリングと見直しも重要です。

 

Q18: 食事の提供はどのように行いますか?

A: 利用者と一緒に調理することを基本としますが、外部からの調達や配食サービスの利用も可能です。食事提供加算を算定する場合は、栄養士による栄養管理や調理員の配置などの要件があります。

 

Q19: 金銭管理はどこまで支援できますか?

A: 日常的な金銭管理の支援は可能ですが、本格的な財産管理が必要な場合は成年後見制度の利用を検討します。利用者の自己決定を尊重しながら、適切な範囲での支援を行います。

 

地域連携・会議に関する質問

Q20: 地域連携推進会議とは何ですか?

A: 2025年度から義務化される、事業所に外部の目を定期的に入れる取り組みです。家族、地域住民代表、市町村担当者などが参加し、運営の透明性確保とサービス質の向上を目的としています。

Q21: 地域住民との関係構築で注意すべき点は?

A: 開設前からの丁寧な説明、定期的な地域行事への参加、清掃活動やボランティア活動への協力などを通じて良好な関係を築きます。偏見や誤解の解消に向けた継続的な取り組みが重要です。

 

報酬・経営に関する質問

Q22: グループホームの報酬はどのように算定されますか?

A: 利用者の障害支援区分と事業所の類型・人員配置に応じて日額で算定されます。各種加算(人員配置体制加算、夜間支援等体制加算、重度障害者支援加算等)により収入向上が期待できます。

 

Q23: 経営を安定させるためのポイントは何ですか?

A: 適正な定員設定、人員配置体制加算等の取得、利用者の定着率向上、地域との良好な関係構築、効率的な運営体制の確立が重要です。また、社会福祉施設等施設整備費補助金等の活用も有効です。

許可更新・法令遵守に関する質問

Q24: 指定更新で特に注意すべき点は何ですか?

A: 人員配置基準の遵守、設備基準の維持、個別支援計画の適切な作成・実施、地域連携推進会議の開催、BCP策定・実施状況、虐待防止措置の実施状況などが重点的に確認されます。

 

Q25: 実地指導でよく指摘される事項は何ですか?

A: 個別支援計画の形骸化、モニタリングの不備、夜間の支援体制記録の不備、利用者の権利擁護への配慮不足、地域との連携不足、消防設備の点検記録不備などが指摘されやすい項目です。日常的な記録管理と適切な運営が重要です。

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